「サツマイモをつるまで食す」

 サツマイモのおいしい季節になりました。子どもの頃から身近にありましたが、今年はサツマイモのつるの煮物を人生で初めていただきました。芋の茎といえば、サトイモの茎である芋茎(ずいき)が有名で、私も産後に実家で毎日のように食べさせられた記憶があります。

 しかし、失礼ながらサツマイモは、戦時中の食糧難を表す際に、「イモのつるまで食べた」と聞くことから、食材としては一般的ではなく、美味しくはないものだろうと思っていました。ところが、皮をむいて調理されたものを食すると、これがまたなかなか美味。蕗に似ているけれど、むしろ私は芋つるの方が好みにあいます。

 私は知りませんでしたが、サツマイモのつるは高知の郷土料理によく使われるそうですし、乾燥させたものは韓国料理の食材にもなるのだとか。木曽川辺りでもでも、当たり前においしく料理する人はきっといらっしゃるのでしょうね。

 今年はもうシーズンが終わってしまいましたが、来年は芋づる料理に挑戦するため、まずは庭で少しだけサツマイモを育ててみるのも良いなと思っています。