今年度、黒田小学校が開校150周年を迎えました。
地域づくり協議会では、さまざまな年代の方々から、自分の小学校時代の思い出を寄稿していただきましたので、順次掲載していきます。同年代の方にとっては、きっと懐かしい思い出がよみがえってくるのではないでしょうか?
私の思い出 【43歳の男性から】
「負けない事 投げ出さない事 逃げ出さない事 信じ抜く事 駄目になりそうな時 それが一番大事」
1991年のヒット曲「それが大事」の歌詞が学年集会の教室の黒板に書かれていた。何割かの同級生はそれに気づいていた様子だったが、音楽を聴く習慣のなかった当時の私にとっては初めて目にする言葉だった。
時は小学6年の3学期。まもなく巣立ちを迎える私たちに、先生はこの曲の歌詞を通して”この先の人生にとって大事なことは何か”を伝えようとしたのだろう。流行歌の歌詞を題材にするという斬新な発想に私は大きなインパクトを受け、30年以上経った今も鮮明に覚えている。見事に先生の術中にはまったのが嬉しいような恥ずかしいような不思議な気持ちになる。
今では自分が小学生の子を持つ親となり“大事なことをきちんと伝える“ということが如何に難しいかが分かるにつれ、先生たちが真剣にそして一生懸命に私たちのことを想ってあの学年集会を考え、開催してくれたのだと思うようになった。
今でも“懐かしのヒット曲特集”などで「それが大事」が流れる度にこの学年集会のことを思い出す。「大事なことを忘れていないか?」と先生たちが語りかけてくれる気がするのだ。