毎年8月が近づくと児童館など小学生への読み聞かせの折、「戦争、平和」をどのように伝えるか頭を悩ませる。戦争そのもの、その残酷さを直接的に見せるのは好きではないためだ。
この夏も迷った末2冊の本を選んでみた。
1:絵本「へいわってすてきだね」
2013年沖縄全戦没者追悼式で当時小学1年生だった安里有生君が朗読した詩に感動し、与那国島まで会いに行った長谷川義史氏が出版した絵本だ。
子どもたちに読み聞かせする時はつい「小学1年生が」と強調してしまう。
「へいわってなにかな。ぼくはかんがえたよ。」で始まるこの詩。
「これからもずっとへいわがつづくように ぼくもぼくのできることからがんばるよ。」
最後の一文で何かできるような力がわいてくる。
2:「ぞうれっしゃがやってきた」
第二次世界大戦中、日本のあちこちの動物園で飼育を続けられなくなった動物たちが殺された。
有名なのは上野動物園で殺処分となった「かわいそうなぞう」のエピソードだろう。(これも絵本になっている)
しかし東山動物園では2頭の象が園長、飼育員皆の協力、努力で生きながらえた。
この「象が助かってよかった、よかった」の続きとなるのがこのお話。象を見たいと願う子どもたちの熱意が当時の国鉄を動かし特別列車「ぞうれっしゃ」を運行する。全国各地から一万数千人の子どもたちがぞうれっしゃで東山動物園を訪れた、という。ただ絵本というよりは読み物に分類すべき一冊かもしれない。
余談ではあるが、当おはなし会メンバーの1人は東山動物園近隣小学校に在学、何回か「ぞうれっしゃ」に乗ってきた子どもたちを出迎えたそうだ。
「子どもの頃に読んだことがある」という方も「読んだことがない」という方も、これを機会に読んでいただきたいと思います。
どちらも一宮市立図書館にあります。
静かで、涼しい図書館にお出かけください。また新しい本との出会いが待っていると思います(*^^*)